活動実績
第6回法制度研究部会
第6回法制度研究部会報告
日時:2025年1月29日 18:30~20:30
ZOOMによるリモート開催
■テーマ:第16回(令和6年12月6日)意匠制度小委員会の議事紹介・意見交換
[議題]
(1)仮想空間におけるデザインに関する意匠制度の在り方について
(2)生成AI技術の発達を踏まえた意匠制度上の適切な対応について
[資料]
https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo- kouzou/shousai/isho_shoi/document/16-shiryou/03.pdf
[議事録]
https://www.jpo.go.jp/resources/shingikai/sangyo-kouzou/shousai/isho_shoi/document/index/isyou_16gijiroku.pdf
■スピーカー:田中咲江会員(日本弁理士会意匠委員会委員長として小委員会に随行)
*今後も、意匠制度小委員会の動きをみつつ、随時開催する予定です。
■研究会の概要
◆ スピーカーからの発表
二つの議題について、議事録に沿って概要が紹介された。
今回は検討点の整理、洗い出しであり、各委員から種々の意見が出されたが、具体的な議論は次回以降であるとのこと。
議題(1)については、会議において以下の経緯が紹介されている。
・メタバース上のコンテンツ等をめぐる新たな法的課題への対応に関する官民連携会議における「メタバース上のコンテンツ等をめぐる新たな法的課題等に関する論点の整理」公表(2023.5)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/metaverse/pdf/ronten_seiri.pdf
・ 不正競争防止法改正(2023.5)
・ 衆議院経済産業委員会 附帯決議(2023.5.17)
➢ 「デジタル空間におけるコンテンツの保護及び利用を推進し、経済活動を活性化するため、本改正にとどまることなく、幅広く知的財産権に関する法律の改正についても速やかに検討すること。」
➢ 「知的創造物の権利については、意匠法等の知的財産権に関する法律の保護対象の範囲及び保護と利用の在り方について、適時適切に見直しを行うこと。」
◆ 意見交換
以下に一部を紹介します。
(議題(1)について)
・ニーズを調べることが重要
・被害の温度感はどうなのか
・リアルとバーチャルは敵対的な関係になるのか、いろんな関係性があるだろう。
・自分たちの意匠を勝手に持って行かれてコントロールできていないことに違和感?
・販売が問題なのか、再現だけでも問題なのか
・リアルの世界では、現物はおもちゃに及ばない。商品化権で対応?バーチャルの世界ではいきなり意匠権で行くのか。
・「物品の類否」とバーチャルの関係。「物品の類否」を外すのか、外さないのか
・制度設計は慎重に考える必要がある。
・ニーズはないと思っている。
・物品性をどのように位置づけるか。
・改正不競法の効果なども検討する必要がある。
(議題(2)について)
・生成AIがどんどんデザインを作ることが、今は問題になっていないが、こちらの問題が大きい。
・AIが意匠を作ってはいけないのか。AI創作を区別できない。
・自然人の創作とAI創作を区別できるようにする工夫はないか。
・デザインの豊富化がAIで達成されるかもしれない。
・意匠法は不要になるという意見もある。
・AI生成物は「画像」であって「意匠」ではないという切り分けは可能か。
・自動車の生成画像は、自動車の絵か、それともミニカーの意匠ないしは自動車の意匠か。
・物品と分かれば意匠であろう。
・グレースピリオドで解決できるのではないか。
以上